MATERIAL Tatsh

Special Interview

Interview -インタビュー-

インタビュア:今日は1stアルバム 「MATERIAL」 について色々インタビューさせて頂きます。よろしくお願いします!

Tatsh:こんにちは。Tatsh (タッシュ) です。こちらこそよろしくお願いします。

インタビュア:アルバム 「MATERIAL」 を聞かさせて頂きましたが、とても素晴らしい出来あがりだと思いました!

Tatsh:ありがとうございます!(笑)

インタビュア:いつ頃から準備されていたのですか?

Tatsh:今年(2011年)の4月にはお話を頂いてまして、作るならきちんと制作期間を確保して望みたいと思ってましたので、4月~6月くらいは準備期間にしまして、実質的な作業期間は7月~9月です。
今まで尊敬する先輩方が、コナミスタイルさんでCDを制作・発売するのを見てきたので、自分もいつかは…とはずっと思ってました。

インタビュア:ズバリ! 今回のCDの聞き所や注目ポイントを教えてください。

Tatsh:全部です!

インタビュア:全部とは…。でも、おっしゃるとおりかもしれませんね。Tatshさん得意のインスト曲もあり、クワイア曲もあり、ボーカル曲もありと。

Tatsh:そうですね。予想はしていたのですが、ずいぶんとジャンル幅の広いCDになりました。

インタビュア:多ジャンルに渡って構成されたアルバムながら、どの曲にもTatshらしさが溢れているように聞こえました。

Tatsh:そのへんが今回のアルバムで最も苦労というか、工夫した点だと思います。

インタビュア:お?! 苦労した点。是非、詳しく聞かせてください!

Tatsh:2,3曲を残して、ザックリとした収録曲の選定を行ったのですが、そのときに予想してた以上に、これは統一感のないアルバムになってしまうなという懸念がありました。
例えば、歌手のアーティストのCDアルバムですと、ジャンルに富んだ収録楽曲になっても、歌い手の声という共通項はあるので、ある程度の統一感はあると思うのですよ。
でも、僕の場合はボーカル曲に関しても、歌っている方たちがそれぞれ違うので、なにか共通項はないかと探したり考えたりしました。

インタビュア:ほほう~。それで、共通項は見つかりましたか?

Tatsh:いえ、見つかりませんでした(笑)

インタビュア:(笑)

Tatsh:しかしながら、収録曲の全てを Tatsh が作曲したという共通項はあるので、その共通項をイメージ化できたらと思いました。
その共通項を今回はピアノにしてみました。全曲にピアノが入っているわけではないのですが、実はどの曲も最初に作るときは、キーボードにピアノ音色をアサインして弾きながら考えるところから始まっています。
アルバムタイトル 「MATERIAL」 は “素材・材料” という意味ですが、最初の素材はどの曲もピアノ音色で作ったモチーフが主になってるという事から名付けました。

インタビュア:なるほど。アルバムタイトルにはそのような意味があったのですね。

Tatsh:そうなのでございます!

インタビュア:収録されているロック系の曲、「Venus」 などもピアノで作ったというわけですか?

Tatsh:そうですね。ロック系の曲をギターで作ることをやってみたことは何度もあるのですが、ギターでリフを考えても、すぐに鍵盤に置き換えてみてから考えることが多かったので、結局、常に鍵盤で考えるようになってますね。だから、最初のデモはほとんどがピアノ曲みたいになってたりもします。

インタビュア:へえ~。 「Venus」 のピアノver聞いてみたいですね!

Tatsh:いつか、デモトラックも公開したら……と思ったけど、音源ファイルが無くなってるかもしれません。

インタビュア:それは勿体ない!これだけ色々なジャンルの楽曲が入ったアーティストCDは珍しいですね!

Tatsh:まぁ…たしかに、トランスやエレクトリックな曲もあれば、バンドサウンドもあって、最後には静かな曲もあるというのは珍しいCDかもしれませんね。

インタビュア:多ジャンルに渡って構成されたCDなので収録曲の順番なんかも悩まれたのでは?

Tatsh:そうですね~。でも、MAYA がジャケットを描いてくれるということで、前半戦は Xepher の世界観を主軸に置いた楽曲で固めようと思ったとき、だいたい決まった気がします。
アルバム書き下ろし新曲である 「IMAGE-MATERIAL-」 も、世界観としては Xepher の世界観を意識した楽曲になっています。

インタビュア:激しくも壮大な楽曲ですね!その曲も大好きです。ギタドラに収録されたらプレイしてみたいと思いました !!

Tatsh:ありがとうございます。 たしかに、ギタドラに合いそうな楽曲かもしれませんね。

インタビュア:3曲目の 「IMAGE-MATERIAL-」 と 最後の15曲目 「Pieces-MATERIAL-」 のどちらにもアルバムタイトルが付けられていることには、なにか意味があるのですか?

Tatsh:アルバムタイトル曲を作ろうと思ったときに、1曲ではなく2曲でやってみようと思ったからですね。
「静」と「動」的な感じのイメージでした。この2曲はCDのデザイン関係の全体が見えてきたときに考えはじめました。

インタビュア:音楽ゲームに提供した楽曲が収録の中心となっていますが、なにか選曲基準みたいなものはありましたか?

Tatsh:まあ、代表的な曲であり、僕の名刺のような曲を中心に選んでいきました。
Xepher と REDZONE は間違いなく代表曲ですので収録は最初にすぐに決まりました。
あとはなるべく、どの音楽ゲームも網羅できるようにとかも意識した選曲になっていますね。今回、収録曲にはならなかった曲もいつかはロングver作ってみたいですね。

インタビュア:あと、コミケなどで自主制作発表しているCDからの収録曲 「ALIVE~偽リノナイ世界」 と 「TOPAZ」 も収録されています。 この2曲についてもなにかお話があれば…。

Tatsh:「TOPAZ」 は、2010年の夏コミのときの 「BLUE TOPAZ」 というCDからでして、この楽曲は人気も高かったことから収録しようと思いました。 今回の MATERIAL を手にしてくれる方の中には、コミケのCDはまだ聞いたことないという方もいると思うので、少し修正したくらいで、あえてそのままのヴァージョンで収録しています。

インタビュア:Tatsh トランスということで、繊細なメロディーが素敵ですよね。 人気があることも頷けますね!

Tatsh:「ALIVE~偽リノナイ世界」 は、思春期だった頃の僕を音楽で表現してみようかと思った楽曲ですので、これは収録しておくべきだろうと思って収録しました。
あとは基本的に速い曲ばかりのCDになってしまうことも予測できていたので、ゆっくりな曲もあるといいなという安心感からです。
あ! 「ALIVE~偽リノナイ世界」 はイベント頒布のみのCDからなので、わりとお得かと思われます。
この2曲で TatshMusicCircle のCDにも興味をもってもらえるとうれしいですね。

インタビュア:TatshMusicCircle のCDも持っていますが、この自主制作CDも、メジャー流通ではないとはいえ、クオリティはとても高いですね!

Tatsh:レコーディング環境や作っている気持ちは、楽曲提供のときも自主制作のときも同じですのでクオリティに差はありません。
逆に自主制作のほうが色々な制約がないので、自由にのびのびと作っていることが良い方向に作用しているかもしれません。

インタビュア:アルバムの楽曲制作や、普段の楽曲制作で色々と気をつけているポイントはありますか?

Tatsh:そうですねー。 うーん。
まぁ細かい箇所には色々と気をつけているのですが、「~ながら聞きの音楽」 にはならないようにとかは、今回のCDでは特に意識しました。

インタビュア:その 「~ながら聞きの音楽」 というのは例えば、どういう音楽ですか?

Tatsh:「~ながら聞きの音楽」 というのは、例えば 「本を読みながら聞く」 とか、BGMとして聞くような音楽のことで、今回の制作では 「音楽に集中して聞く」 ということに耐えうる曲を収録できるよう試みました。
ちょっと前に 「お掃除しながら聞く」 というCDを作ったので、それの反動というのもあるかもしれません。

インタビュア:「お掃除しながら聞くCD」、それはどのようなCDだったのですか?

Tatsh:今年の夏のコミケで出したCDだったのですが、「東方project」 の楽曲を掃除しながら聞くBGMな雰囲気のアレンジにして、それらを収録曲の主体にしたCDです。
「音楽に集中して聞く」 という意味では、まさに BEMANI シリーズの楽曲はそうなのではないでしょうかね。

インタビュア:たしかに音楽ゲームの曲はその曲に集中してプレイしてないとクリアできませんもんね!

Tatsh:そうですね! ぼーっとしてたらクリアできない(笑)。 
今の時代は音楽がよりBGM化している時代だと思いますので、それに対しての逆のアプローチが今回のコンセプトかもしれません。まぁ、もちろん、BGMとして聞いてもらってもぜんぜんOKですが!

インタビュア:今は iPod や携帯などの普及で移動中に音楽を聞くという方も多いですよね。

Tatsh:おおっと、それは逆に意識しました(笑) ミックスチェックと呼ばれる楽曲制作の最後に細かな調整をスタジオで行ったりするのですが、スタジオで行った後に、音源を iPod に入れて、電車の中で聞いたりとかしてチェックしてたりします。

インタビュア:おお~、そんなチェックまでしてるのですかー!

Tatsh:電車の中で iPod で聞いても満足できる音質になっているかどうかは完成ミックスでの重要なポイントとしてます。
というわけで、ミュージックプレイヤーに入れて、持ち出して、移動中に聞くというのも推奨です。
逆に自分自身も、昔とかは特にウオークマンっ子でしたので、携帯音楽プレイヤーに入れた音楽に励まされたり、元気になったり、嫌なことを忘れさせてくれたりという経験は多々ありました。
“ウォークマンは友達” 的な感じでした。 だから今回のCDも皆さんのそんなお供になってくれたらうれしいですね。

インタビュア:では、続きまして、Tatshさんの素顔への質問などもしていきたいと思います。

Tatsh:オレの素顔 ?! まぁ、普通の兄ちゃんですよ(笑)

インタビュア:では、音楽のお仕事をされていないとき、プライベートなどでは何をなさっていますか?

Tatsh:うーん。プライベート…。 漫画読んだり、ネットしたり、TV見たりとかかなぁ、最近は行ってないですけど競馬とかかなぁ…。

インタビュア:競馬! ギャンブラーですね !!

Tatsh:いやいや、大金を賭けたことはないっす。 いつも賭け金は100円や200円です。
元々は競走馬をテーマにした漫画を読んでて、興味が湧いて競馬場へ行ったら意外と面白かった!みたいなノリです。
中央競馬じゃなくて地方競馬ばかりですね。 空いてるので。

インタビュア:競馬場に行くと Tatsh さんがいるかもしれないのですね。

Tatsh:いるかもしれません。お馬さんはとても可愛らしいですよ。

インタビュア:お話を音楽に戻して、以前と比べて制作のやり方が変わったとか、新しい機材を導入したとか、何か変化はありましたか?

Tatsh:今回の収録曲でいうと、GENOCIDE や REDZONE が一番古い時期の制作楽曲で、こちらは昔に作ったデータを引っぱってきて制作しました。
機材的なことでいうと、当時は MAC のスペックが OS.9 で CPU が 1.25GhzDual で、今は 2x2.8Ghz の Quad-Core ですね。
もはや何倍なのかわかりません。 機材的にも技術的にも当時よりもレベルアップしてまして、色々やりやすかったとは思います。
でも、昔は昔なりにがんばってたなぁとか工夫してたなぁとか過去のデータから感じられました。

インタビュア:GENOCIDE はゲームに収録されていたヴァージョンとはずいぶんと変わってますが、なにか意図などありましたか?

Tatsh:GENOCIDE は収録曲の候補にはなかったのですが、その他の過去の楽曲データを集めているときに GENOCID のデータもありまして、収録するかどうかはおいておいて(笑)、気軽にリメイクしてみました。
自分で自分の曲を REMIX な雰囲気ですね。 その結果、良さげになったので収録することとなりました。
あとは当時はわりと IIDX RED の制作終盤だったこともあって無我夢中で、なにがなんだかわからない状態になってたので、今回は整頓された感じにはなっているかもしれませんね。

インタビュア:Tatshさんの音楽的なルーツを教えてください。

Tatsh:んー。音楽的なルーツ。特にこれといって、大きなルーツというものはなく、けっこう雑食な感じです。
昔からクラブミュージックもロックもジャズも聞いてました。 邦楽よりは洋楽に影響されてきたかもしれません。
わりと若い時期から仕事で音楽をやってきたおかげで、自分の知らないジャンルを参考に提示されることも多かったので、音楽的な視野はだいぶ広がったかと思います。

インタビュア:その提示された参考曲などでなにか影響を受けた楽曲などはありましたか?

Tatsh:今、なんとなくパっと浮かんだのは 「Joyful,Joyful」 という映画にも使われたゴスペルソングです。
これは参考曲ではなく、とあるテーマパーク用のカバー曲を制作する仕事のときでした。
そのとき楽曲を深く知ったり研究したりしたので、直接的ではないですが、クワイヤ系楽曲には活かされてるかもしれません。
少なからず、そのように仕事で発注された音楽の影響は受けていると思います。

インタビュア:最近はどのような音楽を聞いていますか?

Tatsh:最近はですね、クラシックばかり聞いてます。 今はベートーベンとかモーツアルトとか古典派を家で。
もうちょっとしたら、ラヴェル、ドビュッシーとか色々聞きながら研究したいと思ってます。
クラシックは究極のインストミュージックだとも思っているので研究しがいがありますね。
作品の量も膨大ですので、いくらでも掘り探せますしね。

インタビュア:クラシックは奥深い世界ですよね。 他にもなにか聞いているジャンルというのはありますか?

Tatsh:あとは、そうだなー。メキシコのアコースティックギターをメインにしてる曲で好きな曲があって、それもよく聞いてます。
ジャンルは、あれはなんて言うんだろ…?

インタビュア:メキシコ! これまた意外ですね。

Tatsh:自分の知らない音楽といえば、ワールドミュージックと呼ばれる世界各国の音楽。
まだ聞いたことないサウンドが沢山あるので探しがいも多いにありますね。

インタビュア:では、ジャケットをMAYAさんに依頼をした理由などありましたらおしえてください。

Tatsh:口約束ですが、自分がCDアルバムを作るときになったら「是非よろしく」的なことを言ってたのでお願いしました。
素晴らしいジャケットが仕上がってきまして、それを部屋に飾りながら制作に励みました。

インタビュア:Tatsh さんから見たMAYAさんはどのような人ですか?

Tatsh:うーん、素晴らしいイラストレーターですし尊敬してますよ。
最初に知り合った頃はお互い新人でしたし、Xepher や Zenuis は特に二人三脚で頑張ってたこともあり、色々と良い刺激をもらいました。 意見をもらったりしたときは参考になることも多かったですね。

インタビュア:今まで様々な活動を続けてこられたTatshさんですが、将来の展望や目標などありましたら、お聞かせくださいませ。

Tatsh:BEMANIシリーズへの楽曲提供はもちろん、ゲーム、アニメなどジャンル問わずに色々と音楽の仕事をしていきたいと思っています。 あとは自主制作の TatshMusicCircle も末永く続けていきたいです。

インタビュア:最後に、ファンに向けて一言お願いします!

Tatsh:アルバム 「MATERIAL」 は盛り沢山な内容のCDになりました。 是非じっくり聞いてみてください。
あと気に入ったら、もう1枚買って、お友達にプレゼントというのもいいかもです!

インタビュア:本日はどうもありがとうございました!